2008年01月17日

機動戦士ガンダムにおける弁証法

今日はいつもとちょっと違う側面から弁証法を語ってみたいと思います。
それは機動戦士ガンダム(ファーストね)の重要人物であるシャアとセイラの会話からです。

注:機動戦士ガンダムの細かい設定の分からん人は最初から想定して書かないつもりなので、あしからず。
名作なので未見の人は必ず見るべし!

物語の終盤、生き別れのシャア(キャスバル)とセイラ(アルテイシア)の兄妹が敵味方に分かれて戦い3度目の邂逅が訪れた時の会話です、
すでにガンダムのパイロットであるアムロ=レイのニュータイプとしての覚醒は始まっており、ホワイトベースの同僚として側で見つめるセイラの脳裏には、父であるジオン=ダイクンの語った人類の次の段階=ニュータイプの出現を、そして宇宙世紀を生きる人類の革新の到来を確信する物がありました。
数奇な運命から敵となって現われた最愛の兄に彼女は言い放ちます。

セイラ「けど、この戦争で・・・いえ、それは以前から人の革新は始まっていると思えるわ」
シャア「それがわかる人とわからぬ人がいるのだよ、だからオールドタイプは殲滅するのだ」
セイラ「でも・・オールドタイプがニュータイプを生む土壌になっているのよ」
セイラ「古きものすべてが悪しきものではないでしょ」
シャア「それは分かっている」
シャア「しかしなアルテイシア、体制に取り込まれたニュータイプが私の敵となっているのは面白く無い、それは私のザビ家打倒を阻むものとなる」
セイラ「アムロは(ニュータイプの未来の可能性を)わかっているわ」
シャア「アムロ・・」
*シャアはこの時点でガンダムのパイロットがアムロとは知らない、ただ少し前に中立地帯にて偶然に一度出会っていたのみであった。
アムロがガンダムのパイロットなのかと聞き返した上でシャアは言い放つ。
シャア「パイロットでは体制は崩せんよ」
後略

宇宙に人類が進出した時代の宇宙と地球の格差、そしてそれに端を発する独立戦争、そこに絡む愛憎劇を描いたのがガンダムであり、その主軸となるシャアとセイラの兄妹の会話。
二人の父は歴史に名を残す思想家であり、革命家でした。
やがて国家の名ともなる二人の父ジオンの思想を宿命的に、しかし影ながら受け継ぐ事になった二人。
ですが、兄であるキャスバルの取った行動は、父の謀殺に対する血生臭い仇討ちであり、妹はそれを受け入れる事は出来ません。
もっとその兄の立場に相応しく、大きな視野を持って欲しいと迫るのでしたが、それすら心に届く事は無かったのでした。
それどころか兄は、父の思想を歪め、ニュータイプとオールドタイプという新たな格差を脳内に生み出し行動原理にしようという兆候が見え隠れします、やがてこの思想は後の新たな戦争の火種となるのでした・・。

話がガンダム談義に偏りすぎました、弁証法に話を戻しましょう。
僕がこの会話の中に弁証法を感じた点は、
セイラの
「でも・・オールドタイプがニュータイプを生む土壌になっているのよ」
というセリフです。
地球という重力から離れた人類が、宇宙を新たな住家ととして革新してゆくというSF的な設定の中には、
作り手が意識したかどうかは知りませんが、「古いものの中に新しいものの胎動がある」という弁証法の哲学があります。

しかし、その新しい世紀の証たるべきニュータイプが、その洞察能力ゆえに戦争の道具となる人間の愚かさ、悲しみをガンダムは描き出すのでした。
人類がすべてニュータイプとなる所までガンダムの物語は語りません。

その先に何があるのか?
歴史が進む中できっと答えは見えてくるのではないでしょうか?

投稿者:堺泉北カープ会


posted by ツッキ− at 21:57| 大阪 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 科学的社会主義の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
面白い。
貴公のような人が共産党の中で一定の影響力を
持つ様になることを期待する。
Posted by オールドタイプ at 2008年08月14日 07:57
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